イルカセラピー

イルカセラピー

イルカセラピー  イルカセラピーは、正式にはイルカ介在療法といわれる、アニマルセラピー(動物介在療法)のひとつです。

 アニマルセラピーとは、情緒の水準が高いといわれる動物と触れ合うことで様々な精神的な健康を回復さるための治療補助、また身体的機能障害などに対するリハビリテーション治療の一環のことです。

 セラピーの対象としては、引きこもりや不登校などの心的問題を持った子供や、自閉症や情緒障害のある子供などがあげられます。または小児がんなどの治癒力を強化するため、さらには痴呆患者や、高齢者福祉、難病患者のQOL(生活の質)の向上のために用いられています。

 イルカは、好奇心が強く、人間に対しても近づいてきたり遊ぼうとしたりします。またいるかは、健常者と自閉症患者・障害者などを見分けるともいわれ、患者や障害者に対しては、暴れたりいたずらをしたりせず、おとなしく優しく接するともいわれています。

 イルカセラピーは、そのようなイルカと接することで、それまで他の人とのコミュニケーションをすることがなかった人が、イルカに対して自発的な行動をとるようになったり、イルカとの触れ合いから、自信や達成感を得ることができるといいます。

 たとえば自閉症患者では、コミュニケーション能力や集中力を高めることができるそうです。また、うつ病などの人も、イルカと遊びイルカに受け入れてもらうことで、自分の存在価値を再び見出し、前向きになるなどの、イルカセラピーの効果があげられています。

イルカセラピーの問題点

 しかし一方でイルカセラピーは、様々な問題点もあげられています。

 

まずイルカはもともと、群れをなして、広い海を時速30kmのスピードで泳ぎまわり、一日に15kgもの獲物を食べる、体重300kgもの野生動物です。

 

 イルカセラピーのためには、そのイルカを群れから引き離して捕獲して、狭いプールに閉じ込めなければなりません。イルカにかかるストレスはたいへんなもので、平均40年という寿命のイルカも、プールの中ではたった数年で死んでしまうといいます。
 イルカセラピーの問題のひとつは、そのイルカの自由を奪うことに対するものです。

 

 そして問題のふたつめは、そのようなストレスを抱えたイルカと接することで、感受性の高い患者がそのイルカの悲しみの影響を受けてしまい、回復までさらに長い時間がかかることも考えられるということです。

 

 本来自然のかたちのままのイルカに接することができれば、イルカセラピーの問題も解決されるのでしょうが、そのためには患者自らが海へ出向き、シュノーケリングなどでイルカに接近しなければなりません。

 

 そうすると、誰でもが簡単にイルカセラピーを受けることができなくなってしまい、このことはイルカセラピーの今後の課題として残されています。